「未知を、価値に。」通信

スカパーJSAT

2050年を見すえた 宇宙構想

最終回の今回取り上げるのは、未来の宇宙ビジネスの姿です。データ解析の世界でよく使われている「マルチモーダル」はご存じですか?これは、画像や音声・テキストなど、異なる種類のデータを組み合わせた解析技術のことです。

私たちはこれを宇宙にも応用し、衛星データを活用した「マルチモーダル解析」を推進、すでに一部では実用化も始まっています。実は衛星から届くデータには、様々な種類があります。たとえば、雲に覆われた地域や夜間でも地表の変化を捉えることができる「レーダー」。森林や建物などの高さを高精度に測定できる「レーザー」。地表の色や形、大きさなどをカメラのように映し出す「光学センサ」。そして、地面や海の温度分布を観測する「熱赤外線センサ」など。それぞれが得意な部分を組み合わせることで、地球の変化をより正確に、そして立体的に捉えることができるようになります。これらと地上データを組み合わせるのが、我々が推進する「マルチモーダル」の考え方。多様なデータを融合することで、変化の検知からトレンド解析、そして精度の高い「未来予測」を実現します。

マルチモーダル解析のイメージ

航空分野では、宇宙から「風」を観測することで最適航路を導き、燃料コストを削減。漁業では、海水温や海流データ、気象データを組み合わせることで、年間を通じた漁獲量を予測する、世界規模のスマート漁業なんてことも実現できるかもしれません。

宇宙に広がる“未知”を、社会に役立つ“価値”へと変えていく挑戦を続けています。「宇宙って、使えるかも」と感じたなら、ぜひ私たちと価値ある一歩を踏み出してみませんか?

今回のポイント

宇宙×AIで未来を読み解く「YAMATO」

スカパーJSATが構想する次世代の超巨大宇宙ステーション「YAMATO」。既存の宇宙ステーションが高度数百キロメートルの低軌道を周回しているのに対し、YAMATOは上空3万6000キロの静止軌道上に常駐。高精細カメラによる地球のリアルタイム監視やスマホへの直接通信、宇宙太陽光発電による送電、無重力環境を生かした研究開発、さらには宇宙空間での物流基地と、様々な機能を担う宇宙インフラとして活躍してくれることでしょう。完成は2050年代を見込んでいます。

超巨大宇宙ステーション「YAMATO」のイメージ