宇宙ビジネスが、不動産業を変える。そう聞くと意外に思う人が多いかもしれません。しかし、異業種のスタートアップとの共創を通じて、宇宙の技術は私たちの暮らしに浸透し始めています。
たとえば、宇宙からの視点で土地の変化を捉えるサービス。スカパーJSATは、宇宙から地球の不動産市場を変えるというビジョンを掲げる、JAXA発のスタートアップ、株式会社WHEREと連携し、撮影時期が異なる衛星画像からデータの差異を抽出し、土地の変化を検出するシステムを共同で開発。WHERE社が開発した不動産仕入れプロセスをDX化するサービス「WHERE」を通じて、一部の顧客向けにベータ版の提供をスタートしました。
画像提供:株式会社WHERE
不動産業は、「売買可能な物件をどれだけ早く発見するか」が生命線です。そのため従来は、不動産業界での人脈・経験をもつ担当者が自分の受け持つ地域を定期的に巡回して、土地の変化や空き地を目視で確認していました。そこに「衛星画像が使えるのではないか」と考えたのがWHERE社です。この発想には私たちも大変驚かされました。土地の変化を「WHERE」上で把握できるようになれば、誰もがどこからでも、価値の高い不動産情報を仕入れることができ、労働時間の削減や特定の人材への依存軽減につながります。宇宙から得られる情報で、不動産ビジネスの効率化を後押しできるのです。
一見宇宙とは無縁に思える業界でも、衛星データという宇宙からの知見が取り入れられ新しい価値が生み出されています。宇宙を活用した技術はすでに、さまざまな業界に変化の種をもたらしつつあります。次に宇宙で変わるのは、どの業界でしょうか。
スカパーJSATはスタートアップとの共創に力をいれています。当社は2024年から100億円の投資枠を設け、「宇宙実業社」として人材や設備など様々なアセットを提供し、ユニークな発想や革新的な技術を持つ企業とのパートナーシップを推進しています。WHERE社との取り組みもそのひとつ。今後もさまざまなパートナーと手を組み、私たちの想像を一歩二歩超えた分野に踏み出したい。宇宙の可能性を広げる新しい価値を共に育てます。
- 「未知を、価値に。」通信
- 宇宙事業
- その課題、宇宙で解決できるかも 教えて!テリーさん Vol.04

