「未知を、価値に。」通信

スカパーJSAT

衛星を活用し、
航空機や船舶で
Wi-Fiが使える環境へ

現在、航空機やクルーズ客船などのなかで、乗客がWi-Fiサービスを利用してインターネットに接続できるようになっています。すでに当たり前となっているこうしたサービスですが、航空機や船舶でのネット利用を実現するうえで、スカパーJSATの衛星が貢献していることをご存知でしょうか。ここでは、航空機や船舶など移動体に対する衛星通信サービスの取り組みを紹介します。

近年、一気に増加した航空機や船舶でのネット利用ニーズ

衛星通信は離島や山岳部など、光回線等の通信回線インフラを整備しにくいエリアや条件下での通信を可能にしてきました。航空機や船舶などの移動体も、衛星が通信を可能にしたもののひとつです。実は、移動体に対する衛星通信の業務利用は、50年も前から活用されています。

ただ航空機や船舶の乗客が、衛星通信を利用してネット接続する環境が整ってきたのはここ10年ほどです。この10年でパソコンやスマートフォン、タブレットが日常に欠かせないものとなり、航空機や船舶に乗っている間もインターネットを使いたいというニーズが増えました。そのため航空会社や海運会社も、機内にWi-Fiアクセスポイントを設置し、ネット環境を整備するようになってきたのです。

船舶におけるネットワーク利用イメージ図

現在では、多くの航空機やクルーズ客船などがWi-Fi接続サービスを提供し、乗客がインターネットやSNSなどを利用できるようになっています。また、日本の一部の国内線では、スカパーで放送中の最新ニュースやスポーツ中継、音楽番組などのチャンネルをリアルタイムで見ることができます。これもスカパーJSATの衛星通信を活用することで実現しているサービスです。

増加する移動体通信ニーズに応える、大容量・高速の衛星を複数機所有

航空機や船舶などの移動体通信をスムーズに行うには、航空機や船舶に積み込む通信機器の小型化・高度化や、移動する航空機や船舶を自動で追尾するアンテナ技術も必要です。さらにスカパーJSATでは、増大するお客様の移動体通信ニーズに応えるため、さまざまな技術革新によって衛星通信の大容量化・高速化を進め、サービス向上に努めてきました。

衛星を複数機所有していることも私たちの強みのひとつです。航空機や船舶は移動するため、現在位置に応じて利用する衛星を切り替える必要があります。一つの衛星だけでは通信できる範囲が限られてしまうのですが、複数の衛星をもつスカパーJSATの移動体通信はサービスエリアが広く、幅広いお客様のニーズに応えるサービスを提供することができます。

たとえば、船舶は煙突や船室などにより、一隻ずつ異なる形状をしています。そのため同じ場所にいても、角度によって衛星通信が邪魔されるブロッキングという状態が発生します。一定の方角に向かって航行中の船舶が、ずっと通信を使えない状態になる状態を防ぐには、別の衛星からの通信に切り替えなくてはなりません。このように移動体への通信を途切れさせないためにも、複数機の衛星を所有しているメリットが活かされています。

日本船籍最大の客船「飛鳥Ⅱ」も、スカパーJSATが衛星回線を提供する船舶向けインターネット接続サービスを導入している船舶のひとつです。

5G時代に対応し、次世代衛星を活用しながらさらなるサービス向上へ

さらに今後、社会全体で大容量・高速の5G利用が普及していきます。それに伴い、航空機や船舶のなかでもさらに大容量で高速な通信環境へのニーズが高まっていくでしょう。

そんな近い将来を見据え、スカパーJSATではすでに新たな取り組みも進めています。通信容量を従来の10倍、100倍にする次世代衛星技術「HTS(High Throughput Satellite)」なども活用しながら、5G時代に対応した衛星や付帯設備を準備。航空機や船舶のお客様に、さらに快適で便利な旅や移動を楽しんでいただけるよう、新たなサービスを展開していく予定です。

(2021年10月25日時点)